2016年1月19日

古今東西、ナビゲーションの話 -Part1 ナビゲーションの難しさと最新の技術-

ナビゲーションってどういう意味

ナビゲーション"navigation"と聞いて、はじめに思い浮かぶのは
カーナビや乗り換え案内アプリなんかを思い浮かべるかもしれません。

そういう意味ではガイドとかと近い意味かもしれません。

ちなみに航海という言葉を英語にするとナビゲーションで、航海士はナビゲーターとなります。
そんな航海士のお仕事であるようなナビゲーションですが、もちろん海に限ったことではなく、車を案内してくれるカーナビはもちろんのこと

見知らぬ国で道を教えてくれる人や
砂漠を長年旅してきた案内人や
宇宙に打ち上げるロケットの軌道をうまいこといくように計算してる人
なんかもナビゲーターと呼ばれるでしょう。

そう考えると、どこか目的地へたどり着くための答えを知った人、
もしくは目的地までの道を見つけ出してくれる人
そんな人がナビゲーターと言えそうです。

海で迷わないために

海は陸から離れてしまうと、見渡す限りの水平線!
ナビゲーターがいなければ迷ってしまいます。

海と空だけの空間の中で、自分が今どこにいる?
どっちを向いている?
というのはものすごく難しい問いです。

想像してください。
沖縄で船で遊んでいたら、エンジンが壊れて、直すのに一晩もかかってしまい、
直ったときには島影は見えず、
暖かい風が吹いていたからきっと南風で北のほうに流されたんだろうななんて推理をしながら、途方に暮れてしまいそうなあなた。

天気も良く、遭難の心配はなさそうですが、腹ペコです。
エンジンは直ったので、どちらかの方向に走り出そうと思います。

太陽は高く上りどちらが南かよく分からない。
どうやって方角を決めたらいいのか?
そもそも、今沖縄の北にいるのか南にいるのか?

予想通り北にいるとして太、陽が西に傾くのを待ってから南に向かって行こうと思うが、方角がわずかにでもずれていて沖縄を見ることなく通り過ぎてしまったら大変です。

。。。さて、困りました。
現実ではもっと安全対策をしていくよ!
むしろ北や西に向かったらどこかには着くやん!
というのは置いておいて、海で自分がどこにいてどちらを向いているかを知るのはなかなか難しそうだというのはわかってもらえたでしょうか?

そんな時にどうするのか、どんな道具や文明の利器を使っているのかを時代を遡って紹介していきたいと思います。

最新のナビゲーション、航海術

いきなり、最新鋭の航海術からいきたいと思います。
現在では、実は船が無人になって自動航行するための一つひとつの技術はもう確立されていると言っても過言ではありません。

狭い港に入る場合などに熟練の技が必要になりますが、その辺りも研究が進められています。
船は無人でそういう熟練の技が必要な場面だけ、プロが遠隔で操縦してしまおう!なんてアイデアもあるほどです。

車の自動運転と同じで船の前に障害物があれば、自動で止まったり避けたりは可能ですし、コンピュータが予想した精度の高い天気予報に従って自動で荒れてない海を選んで走って燃費を良くするようなこともできています。

そんな最新鋭の世界ですが、やはり基本にあるのは
どこにいて、どちらに向かっているのか?という問いです。

どこにいる?

どこにいるか?というのは、みなさんご存知のGPSを使っています。現在では、その誤差は10m程度と言われているので、陸や浅瀬のすぐ近くでなければ、全く問題ありません。
しかも、常にリアルタイムで最新の場所がわかるので、どこにいるかを考えるまでもなく、地図の上に自分のいる場所が表示されています。

GPSは宇宙にある人工衛星の場所からの距離がわかることで自分の位置がわかります。(厳密に距離が正確にわかるわけではないのですが、ここでは割愛します)
なんとも、壮大な話ですね。カーナビを使っている間ずっと宇宙からの電波を受信しているってことです。

ちなみにGPSはアメリカのものを世界中の人が共同利用しています。
だから、アメリカ頼りは良くないということで、EUやロシア、中国、それに日本も"自分たち独自のGPS"を使えるように頑張っています。


どっちを向いている?

次に、どちらを向いているかについてですが、これは羅針盤=コンパスを使って知ることができます。
よく知られた方位磁針でもおおよその方向を知ることができますが、実は方位磁針には誤差がかなりあって10°や20°ずれてしまうのは当たり前なのです。(もちろん対策もあります)

最も広く普及しているのはジャイロコンパスという道具です。
ジャイロといえば。。野球で一時期流行ったジャイロボールを思い浮かべてしまいますが、あのイメージとは少し違います。

「めちゃくちゃ速く回転している物は同じ方向を指し続ける」というなんとも都合のいい現象があるのです。
だから、一度北に合わせて回してしまえばいつでも北がわかるという素晴らしい道具。(実際にはいろいろな技術を組み合わせて北を指し続けるのですが、やっぱりここでは省略)

つまりいつでもどっちを向いているかもわかってしまうんです!
だから、どこにいてどっちに向いているかがわかってもちろん精密な地図もあるので、コンピューターに任せていても航海できてしまうんですね。
(実際の実現には、船の機械の整備やメンテナンスが必要だったりということもあり、すぐに無人の船が出てくるというわけではないです)

つまーり、最新の技術ではナビゲーションなんて楽勝なんですね、、、
とは言っても今の船乗りたちもこれから紹介するナビゲーションの技術を持っています。
なぜって、停電したらGPSもジャイロコンパスも使えない!!のです

では次回以降は少しずつ時間を遡っていきましょう。。


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